昨日のこの編集者がスゴい!」トークライブ休憩中、
ゲストのダイヤモンド社・今泉さんに
「無茶ぶりな質問するなら、自分の考えをちゃんとさらけださないと」と
叱られてしまいました。(冗談ぽくですけど)

昨晩のイベントは、あくまで、ゲストでご登場いただいた「スゴ編集者の凄さ」を紹介するものなので、
僕は極力、裏方に徹していたわけですが、たしかに今泉さんのご意見も理解できます。

安全な場所に逃げて、好き勝手に無茶な質問をしていたわけでは決してない!ということを示すために、
昨日、twitterに挙げた内容に関しては、僕なりの考察を簡単に記させてもらうことにします。

(※私は昨年から電子書籍に非常に興味を持ち、様々なセミナー・勉強会に顔を出し、
関連書籍も数多く読んでいますので、それなりの根拠はあって発言しています。
ただし、僕は評論家ではなく、あくまでプレーヤーです。
他のプレーヤーには教えたくない考察もあります。 
考えのすべてを記しているわけではないのはご了承ください)

【電子書籍は、リッチコンテンツへ向かうのか?】

子ども向け・教育コンテンツはリッチ化に向かう。

それ以外は、ごく一部の「とてつもなくリッチコンテンツ」と、
ほんの一部の作りこまれたコンテンツ、
そして、大半のプアコンテンツという状態に。 


【どのあたりで電子書籍の価格は落ち着くか?】

紙の書籍1500円くらいのコンテンツが、300500円くらいで落ち着くのでは?

【電子書籍のコンテンツレイヤーで5年後どこが勝つ? 既存の大手?テレビなど他メディア?新たなところが台頭?】

電子書籍単体で継続的に利益が上げられるのは、ほんの一部になる。

となると、その周辺で利益を上げることが大事となる。

その場合は、メディアミックスやキャラクタービジネスなどに一日の長がある大手が有利。

ただし、必ず「新たな大手」は出てくると思います。


【アップルなどを通さない課金方法は作れるか?作る気はあるか?】

読者のためにも、作家のためにも、作らないといけないと思います。
作れる方法は、まだあります。
(そのアイディアは、さすがにここには書きません)

【電子書籍による紙の書籍の減少は、どの程度で歩留まり? そのとき、書店はどうなる?】

iPodが出る遙か前から、カセットテープやMDに「自炊」することが一般的だった音楽と異なり、もう少し高いところでの歩留まりになるのでは?

書店は今のままのビジネスモデルを続けていたら相当厳しいでしょう。ただし、「直接、顧客にリーチできる」というのはamazonにもGoogleにもできないことなので、そこをきちんと利用できるようなビジネスモデルを築ければ、まだ多いに可能性はあると思います。


【電子書籍によって、文化は向上するのか? 電子書籍によって、新しい表現形態は生まれるのか?】

大多数は劣化方向、縮小再生産に向かうと思います。
その一方で、下記のような希望も持っています。

現代において新たに出てきた「産業として成立している新たな表現形態」は、マンガ、テレビゲーム、この二点。

どちらも日本発が、世界をリードしている。

3の「日本初・産業として成立する新たな表現形態」が生まれる可能性も?

これは、正直、かなり希望的見解です。
でも、編集者としては、それを生み出していくことこそ、本当は是が非でもやってみたい。

 

※上記の考察はあくまで個人的な見解です。会社等を代表しての意見ではありません。