出版社でウェブ企画・事業について話すとき、難しいのが、
ウェブについての知識・感覚の差が著しい、ということがあります。

各自に、知識や感覚の差があるのは、ウェブに限らずだと思うのですが、
出版社の場合、「ウェブのことなんて分かってなくても、いいじゃん」という思想の持ち主が、ウェブ事業に関する会議で堂々と発言していたりする、ということが往々にしてあるのが、これまた問題を難しくしているのです。

「本屋なんて、ほとんど行きません。本とか雑誌なんて興味ありません」
なんて新入社員が編集部に入ってきたら絶対いやがるだろうに、
なぜかウェブに関しては、かたくなに触れようとせず、
でも、ウェブの事業には関わろうとする、
正直、なんだか意味が分からないことが珍しくありません。

さらにまた問題をややこしくしているのが、
そもそも「ウェブを分かってる」とはなんぞや??
ってことが、あいまいなまま進んでいる、ということでしょう。
そのあたりを少しでもクリアにすべく、私は「ウェブを分かっている」を、非常におおざっぱに以下の二つに分類しています。

●システムのことを分かっている、専門用語を分かっている。
●ウェブの空気感を分かっている。

当たり前だろ!
と突っ込まれそうですが、意外に、このあたりがごちゃまぜになりながら物事や話合いが進んでたりするものなのです。

専門用語を縦横無尽に使って話している人が、
Twitterもろくに使いこなしてなくて、それでも「俺はウェブに詳しいけど、お前らは分かってない!」的な発言をするなんてことは、少なくなく、そうしたことが徒労に終わる話合いを増やしていたりするわけです。

この分類を共通基盤とするだけで、無駄な話合いはだいぶ減るはずです。


さて、
そんな分類をしたうえで、出版社の人間が上記分類のうち、どっちに重点を置くべきか、という問題が出てきます。

両方バランスよく、がいいのはもちろんなのですが、「忙しい」出版社の方々にとって、なかなかそうはいかず、
となると、
やはり「ウェブの空気感」を分かるほうに重点を置いたほうがいい、と僕は体験上、感じています。

・紙質や製本の手法には詳しいけど、どのような本が読まれているか全然知らない編集者
・紙質や製本の知識は乏しいけど、最近のベストセラーはくまなくチェックしている編集者

編集者として、どちらがいいかといえば、後者のほうがいいような感じです。

TOEICは高スコアだけど、外人とはろくに話せない人より、
文法は無茶苦茶だけど、躊躇せず外人と話しちゃう人のほうがいい、みたいな感じでしょうか。
(ちょっと違う?)

まあ、そんな例はさておき、
ウェブ事業に携わろうとする以上は、ウェブの空気感を身につけようとする努力はたえまなくしていかないといけないと、自戒を込めて思うわけです。

Twitterなどで自分の発言が、どの程度RTされていたりお気に入りに登録されていたりするのか、日々チェックすることは必須なのではないかなあと、思います。