出版の将来像をテーマにした記事は、下記が最新となります。
 ●「10年後の出版業界」を見通すための羅針盤
(2016年)




先日、第七回・出版甲子園で、審査員を務めさせてもらいました。
その来場者に配布された「出版業界・虎の巻」において、次世代の出版業界についてインタビューを受けました。

かなり好き勝手なことを話させてもらっているのですが、今現在、僕が考えていることが、かなり反映されたものになっているので、出版甲子園運営者に許可をもらい、ここにも掲載させてもらうことにしました。

結構長くなりますが、よろしければご覧ください。

※あくまで私の個人的な意見であり、所属している会社の見解ではございません。



3本立てとなっています。他2本は以下リンクよりご覧ください。
「次世代の出版業界」予想図 <その2>
「次世代の出版業界」予想図 <その3>


出版社で今、求められている能力とは?

出版業界はいま、大きな変革期を迎えているので、「出版社を大改革してくれるような発想と行動力を持った人」でしょうか。

と言うものの、出版業界はこの先もそんなに大きくは変わらず、縮小を続け、ある程度の規模で安定する可能性が高いとも考えています。

その未来図の場合、一部の読書好きな人に良質なコンテンツを提供することが大事になってくるわけですから、むしろ昔気質の編集者がいいのかなと思ったりすることもあります。
つまり、「一人の作家さんとじっくり向き合って良いものを作っていくような人」ですね。

まったく両極端ですけど、五年後十年後の出版業界の姿がはっきり見えていない以上、そんな真逆の二タイプが求められるのではないかと思っています。

編集者を目指す学生は何をしておけばよいか?

ありとあらゆることを何でもやっておいた方がいいですね。

出版社を目指すのならばなおのこと、あまり本とは関係のないことをやっておいた方がいいかな、と思います。
僕も学生時代から出版社に入りたいと思ってたんですけど、本作り的なことはほとんどやってなかったので……結局はそれで良かったなと。

あと、これは別に編集者志望者に限らないんですが、悩んでおいたほうがいいんじゃないかな。
学生時代のモラトリアム的な悶々とした悩みなんて、はっきり言って無駄なんですけど、無駄なことを延々やっている時間って、社会人になるとなかなかないんですよね。

そういう時に感じたことや抱いていた思いみたいなものは、のちのち役に立ったりするんです。
いかに学生時代を無駄に過ごしておくかって意外と大事じゃないかな

(追記:
このインタビューを受けたあとに、考えが若干変わりました。

上記に加え、
「自分の得意分野において、”この人には到底敵わない”と思える人と出会い、積極的に交流してみること。
さらに、それを認めた上で、その人に自分が対抗しうる戦略はないか、徹底的に考えてみること」

が大事だと思っています。

そうしたことを学生時代に体験できた人と、そうでない人では、社会に出たあと、圧倒的な差ができるのではないかなと思ってます)

水野さんのお仕事について

ウェブで新しい稼ぎ口を創り出すという感じの仕事ですね。
既存の出版業界のビジネスモデルはもう頭打ちになってきてるんです。
「単行本をより多く売って利益をあげる」「雑誌により多くの広告を集める」とか、そういうことが今後、大幅に拡大することはまず考えられない。

だから、新しい稼ぎ方を見つけなければならない。
それを作る仕事です。
プラットフォームと言えば分かりやすいでしょうか。

やっぱり自分たちで主導権を握れる場を、新たに作らなければならないんですね。
必ずしもウェブビジネスである必要はないのですが、今、出版社の持つ強みを活かして新たに大きなビジネスを立ち上げようと考えると、やはりウェブに絡めることにはなりますね。

つづきは、<その2>


3本立てとなっています。他2本は以下リンクよりご覧ください。
「次世代の出版業界」予想図 <その2>
「次世代の出版業界」予想図 <その3>

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