「電子書籍はマネタイズできる。
それはどんなかたちか?? 
次回につづきます」
と、前々回のエントリーに書きながら、昨日は別のことを告知してしまってすみません。

今日はちゃんと書きます。


近頃、一般的になりつつある「電子書籍はマネタイズできない」という意見。

それは、真であり偽でもある、と思います。

「既存の出版の在り方」をベースにした場合、「割りに合わない」と考えることは「真」でしょう。

けれども、「既存の出版の在り方」から離れ、
もう少し広い視野で見てみたとき、
「電子書籍ほどマネタイズしやすいものはない」かもしれません。

たとえば、
村上春樹さんが、ついに電子書籍に向けて書く!となった場合を考えてみましょう。
(そのときには、村上春樹さんもtwitterを積極的にやっていると仮定します)

・村上春樹が3年かけて書いた壮大な小説。
満を持して発売! 超大作を、1500円で電子書籍先行配信!


たしかに魅力的です。
村上春樹さんクラスになれば、これだけでも十分マネタイズできるかもしれません。

しかし、僕は(それなりに村上春樹さんの小説が好きですが)、たぶん買いません。
紙の本として書店に並ぶまで待ちます。

では、下記のケースならばどうでしょう?

・大作を書き終えて、ほっと一息ついた村上春樹さんが、NYのジャズバーに出かけ、リラックスしたムードでグラスを片手にライブを聴いている。
そのとき、ふと書きたいエッセーの内容が浮かぶ。
その場で、コースターの裏に、ささっと3分ほどで書き上げたエッセー。
「今すぐ読んでもらいたい」と思い、その場でiPhoneで撮影。
「Gumroad」で100円で販売。twitterでシェア。


これ、僕は絶対に買います。
即、買います。
おそらく、全世界で1万ダウンロードも十分現実的な数字でしょう。

逆に、これならば書店に並んでても、僕は買いません。

そして、注目すべきは「時給」。
(小説を時給で考えるべきかみたいな議論は、ここの目的じゃないので、却下)

3分で100円ですから、時給2,000万円!

(手数料とかありますが、そのあたりはあくまで概算です。値段を150円にしてもダウンロード数は大きく変わらないと思うで)

そう。
電子書籍は、むちゃくちゃマネタイズしやすいのです。


「村上春樹は別格だ。他の一般的な作家ならどうなんだ」とか、いろいろ突っ込みどころがあることは重々理解しています。

しかし、
こうやって見ていくと、
2010年あたりから延々と繰り返されている
「電子書籍ばマネタイズできるか否か」みたいな議論は、
結局のところ、非常に不毛な議論であることがわかります。

◆電子書籍に向かないコンテンツは、マネタイズしにくい。
◆電子書籍に向くコンテンツは、紙の本よりマネタイズしやすい。


という非常に単純、かつ、明快、そして、当たり前の結論でないかと思うのです。

「電子書籍元年」から、もう2年も経ったわけですし、
「紙か電子か」「編集者は必要か否か」みたいな議論は、そろそろ終わりにしましょうではないですか。